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自我状態の機能的モデル
1.機能的モデルとは?
自我状態P「親」をCP「支配的親」、NP、「養育的親」に分割、A「成人」、C「子ども」をAC「順応した子ども」、FC「自由な子供」に分割し、自我状態が行動にどんな風に現れるかを示すために自我状態を分類したものが機能的モデルです。
自分がどの自我状態から行動しているのかを知ることは、自分を知る第一歩になります。
第4回ではC「子ども」:AC「順応した子ども」、FC「自由な子供」について説明します。
2. AC「順応した子ども」、FC「自由な子供」
C「子ども」の自我状態にいるとき、私たちは子供の頃の考え、感情、ふるまいを再演しています。
私たちは子供の頃に親等から社会で生きていくためのルールを学んできました。
たとえば、私の場合、人に会ったら元気がないときでも笑顔で挨拶するほうが人から好かれるとか、母親が怒ったときには、自分の意見は言わないほうがお母さんの怒りが早く沈むので、怒られている間はじっと我慢するとかいうことを無意識に学びました。
そして大人になっても私は、体調が悪いときでも、笑顔で挨拶をしますし、機嫌が悪い上司が近くにいるときはおとなしく静かになります。
これらの行動をしているとき、私はAC「順応した子ども」の自我状態にいます。
反対に、私は子供の頃に、母親が怒ったときに、聞こえないふりをして反抗したこきもあります。
そして大人になった私は、上司の機嫌が悪いとき、その上司を無視するときがあります。
この反抗しているときも使っている感情は自然な感情ではなく、押さえつけられた感情の代わりに使っている不自然な感情であるので、交流分析では反抗しているときに使っている感情もAC「順応した子ども」に分類されます。
一方で
子供の頃、私たちは自分が望むように行動するときもありました。
たとえば、私の場合、外で鬼ごっこをしたり、家の中でかくれんぼをしたり、お友達とおしゃべりしたりするのが大好きでした。
そして大人になった私は、散歩を楽しんでいるし、お友達とおしゃべりするのが大好きです。
これらの行動をしているとき、私はFC「自由な子供」の自我状態にいます。
3. ポジティブな「順応した子ども」、ネガティブな「順応した子ども」
私たちは買い物をするとき、混んでいるときはレジに並び会計を待ちますし、人に何かして頂いたときは「ありがとうございます」と伝えます。
このような行動は、子どもの頃、親等から教えてもらったり、親の行動をみて無意識に習得しています。
このように社会の常識、礼儀を再演し、社会生活をスムーズに送ることができる「順応した子ども」をポジティブな「順応した子ども」といいます。
一方
子供の頃に母親からお手伝いを頼まれて、「イヤだ」と言ったらすごく叱られたとか、自分が欲しいものを欲しいと言ったら、「お姉ちゃんなんだから譲りなさい」と叱られた体験がある場合、「頼まって断ったらひどい目にあう」とか、「欲しいものを欲しいを言ってはいけない」ということを学んだ可能性があります。
そうすると大人になっても「頼まれたら自分がしたくないことでも断ることができない」とか、「自分が欲しいものを他人に譲ってしまう」とか、大人の私たちにはすでに役に立たなくなった子供の頃の行動を再演しているときがあります。このような場合ネガティブな「順応した子ども」にいるといいます。
4.ポジティブな「自由な子ども」とネガティヴな「自由な子ども」
2.の「自由な子ども」で説明したように散歩をしたり、おしゃべりをしたり等、自分が望むように行動するとき、私たちはポジティブな「自由な子ども」にいます。
一方で、「会議中に鼻をかむ、雑談をはじめる」という行為は、会社の中で自分の居心地を悪くする要因となりかねません。このような場合、ネガティブな「自由な子ども」の行動といいます。
5.まとめ
大人の私たちにはすでに役に立たなくなった子供の頃の行動の再演に気づき、「今・ここ」の最適な自我状態に変えることで、自分の人生を自分の意志で選択できるようになります。
次回は自我状態P「親」:CP「支配的親」、NP、「養育的親」、A「成人」について書いていきます。
参考文献 「TA TODAY」 イアン・スチュアート、ヴァン・ジョインズ 著