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精神分析と交流分析
第1回は交流分析について説明しましたが、交流分析の土台となった精神分析という理論を少し探ってみることにしました。
1.精神分析って?
人間のこころが「意識」と「無意識」から成り立っているという考えを基礎
にした心理療法、また精神治療のための理論で、20世紀のはじめに ジーク
ムント・フロイト(オーストリアの精神科医)が創設したものです。
2.精神分析でいう心と交流分析でいう心
精神分析では人の心を 超自我、自我、エス(イド)という3つの領域から
できていると考えます。精神分析の分析対象は「自己理論」です。
それに対し、交流分析では人の心を「親」、「成人」、「子ども」という3つ
の自我状態でとらえ、分析対象は「人間関係の交流」です。
精神分析は、精神分析の超自我、自我、エス(イド)が「理論的な概念」で
あり「客観的に観察不可能」なのに対し、交流分析の「親」、「成人」、
「子ども」という自我状態は「客観的に観察可能」だということです。
3.精神分析の超自我・自我・エス(イド)とは?
超自我:親や親的役割をはたした人のしつけ、言動から感じ取った価値観の
領域が内在化したもの。善悪を判断し、悪い行為を起こさない方向
に誘導する道徳的な領域。
自分の中の裁判官みたいな部分。
自我:自分の思考・感情・行動を整理し、現実の状況に応じた適切な行動を
とる領域。
エス(イド)と超自我の調整役。
エス(イド):人間の本能、欲望。心の中で最も原始的な部分。自分の心地
良いと感じることだけ を求める領域。生まれたばかりの赤
ちゃんの心のような部分。
例えば
朝
「まだ眠たいなあ。寝よう。」(エス)
「ダメだよ。起きて、会社に行かなければいけないよ」(超自我)
「朝7時かあ。起きないと遅刻するな。起きることにしよう。」(自我)
4.まとめ
交流分析を創始したバーンが最初フロイト派のフェダーンとエリクソンに指
導を受けたということから、精神分析と交流分析のモデルが似通っていても
不思議ではありませんが、フロイトの超自我、自我、エス(イド)とバーン
の「親」、「成人」、「子ども」は人格を描写する上での異なった方法です。
交流分析を中心に講座を学んでいきますが、精神分析を知ることも自分の心
を知るのにとても役に立つと思います。
そこで次回は、フロイトの精神分析でとても重要な「転移と逆転移」という
概念について書いていきます。
参考文献 「TA TODAY」 イアン・スチュアート、ヴァン・ジョインズ 著